ユビキタスエンターテイメント(UEI)の清水社長が、今、最も力を入れている活動の1つが、ARCだ。若い学生たちの熱いグループで、最先端の技術に取り組んでいる。
そのARCが開発したスマートフォン向けのゲームライブラリがenchant.js。enchant.jsで作ったゲームを投稿できるサイトが9leapで、今、毎日のようにゲームが投稿され、しかもプレイされている。若い学生たちを対象としたゲームコンテストも開催された。
今回、9leap主催のゲームプログラミングキャンプが、仙台であるという。しかし、驚いたことに、参加者が少ないという。東京で開催したときは、20人の定員に50人も応募したという、イベントなのにだ。もう、若くない自分が参加するのは、どうかと思っていたが、それならもう、これは参戦するしかないだろう。
ぼくは、もう若くない。43才だ。大学でWebやCGを教えている。
若い連中は言う。ゲームを作りたいと。でも、実際に作る者はほとんどいない。
当たり前だ。ちまちま、CやJavaの本を読んでも、コマンドラインで数字や文字を入れて、大しておもしろくもない処理をするようなサンプルしか載っていない。
いや、もちろん、これは基本で重要だ。
基本ができずに、ゲームなんか作れるわけがない。でも、その基本ができても、ゲームまでは随分距離がある。普通のCやJavaの教科書を理解しても、いきなりVisual C++でゲームが作れるわけじゃない。そこには大きな壁がある。
もったいない。
昔はもっと人生は簡単だった。
ベーシックやマシン語で書かれたゲームのプログラムが、雑誌には載っていた。そのクソ長いコードを根性で打ち込んで、テープレコーダのテープに保存してやれば、ゲームは動いた。そう、USBメモリでも、CDでもない、フロッピーですらない、テープだ。書き込むにも読み出すにも何分も何十分もかかった。
でも、コードは単純だった。いや、もちろんすごいコードもあったが。
根性さえあれば、ゲームは作れる時代だった。
プログラムの基本は、順番に命令を実行する逐次処理、変数の値などにより処理を変える条件分岐、そしてくり返しの3つだ。この3つさえ分かれば、原理的にはどんなプログラムでも書ける。他の機能は、プログラムを簡単に書けるようにするために用意されている機能と言ってもいい。
簡単なゲームを作れば、この3つの基本がわかるし、応用だってできるようになる。メキメキとプログラミング技術が上がること間違いなしだ。しかもおもしろい。
かつて存在した、そんなプログラマを目指す若者の黄金時代を、この21世紀にもたらそうというのが、9leapだ。
今やるなら、スマートフォンのゲームだ。HTML5だ。間違いない。
しかも、さまざまな環境の差異を吸収してくれるライブラリが用意され、PCとエディタとブラウザがあれば、開発できてしまう。
ぼくもHTML5とCSS3とJavaScriptでシステムを作っている。Googleストリートビューのようなコンテンツを自分で簡単に作れるOctPhotoVRだ。これは、研究室の学生が青森老舗のデパート中三の店舗案内を作るのに使ったり、5月の中旬に開催した青森県立美術館でVRマップを作るワークショップにも使った。
これを開発していて、今、とにかく面倒なのが、さまざまな環境の差異だ。
そんな面倒な部分をライブラリが吸収してくれるというのだ。
これはすごい。
もう、参戦するしかない。そうだろう?
続く
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